令和4年(その52)~平成20年度までの疑義解釈資料を項目ごとに。

K917-3「胚凍結保存管理料」のレセプト請求・算定Q&A

手術

目次

疑義解釈資料(令和4年)

問 57 採卵術、体外受精・顕微授精管理料、受精卵・胚培養管理料、胚凍結保存管理料及び胚移植術について、それぞれの算定日の考え方如何。
(答)個々の事例により異なる場合もあるものと考えられるが、取り扱う胚等の個数により算定すべき点数が異なること等も踏まえると、一般的には以下の算定方法が考えられる。

  • 採卵術及び体外受精・顕微授精管理料は、採卵を実施した日に算定することが想定される(体外受精・顕微授精管理料を採卵日に算定しない場合には、下記の例2又は例3の受診日において算定することが想定される。)。
  • 受精卵・胚培養管理料及び胚凍結保存管理料は、胚培養を実施した後に、その結果報告及び今後の治療方針の確認のための受診日がある場合には、当該受診日に算定することが想定される。

なお、採卵日以降、受診日がない場合には、胚移植を実施した日に算定することが想定される。


(参考)算定方法の例
例1)
  1. 採卵時に受診 :採卵術及び体外受精・顕微授精管理料を算定
  2. 胚培養後に受診:受精卵・胚培養管理料及び胚凍結保存管理料を算定
  3. 胚移植時に受診:胚移植術を算定
例2)
  1. 採卵時に受診 :採卵術を算定
  2. 胚培養後に受診:体外受精・顕微授精管理料、受精卵・胚培養管理料及び胚凍結保存管理料を算定
  3. 胚移植時に受診:胚移植術を算定
例3)
  1. 採卵時に受診 :採卵術を算定
  2. 胚移植時に受診:体外受精・顕微授精管理料、受精卵・胚培養管理料、胚凍結保存管理料及び胚移植術を算定

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

1.基本的な算定要件

問 61 区分番号「K917-3」胚凍結保存管理料について、前核期胚はどのような取扱いとなるか。
(答)初期胚と同様の取扱いとなる。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 62 「2 胚凍結保存維持管理料」について「1年に1回に限り算定する」こととされているが、具体的には、過去1年間に「1 胚凍結保存管理料(導入時)」又は「2 胚凍結保存維持管理料」を算定していない場合に算定可能という理解でよいか。
(答)よい。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 63 「1 胚凍結保存管理料(導入時)」については、胚の凍結とその後1年間の凍結保存及び必要な医学管理に要する費用を評価するものであり、同管理料を算定してから1年を経過した後に、継続して胚凍結保存を実施する場合には、「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することとなるという理解でよいか。
(答)よい。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 64 「凍結保存の開始日から起算して3年を限度として」算定することとされているが、「1 胚凍結保存管理料(導入時)」及び「2 胚凍結保存維持管理料」に係る保存期間を通算して3年と考えればよいか。
(答)よい。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 65 令和4年4月1日より前から凍結保存されている初期胚又は胚盤胞については、「1 胚凍結保存管理料(導入時)」と「2 胚凍結保存維持管理料」のいずれを算定すべきか。
その際の算定年数の限度(3年)の起算点の考え方如何。
(答)「2 胚凍結保存維持管理料」を算定する。
この場合、令和4年4月1日以降に算定した生殖補助医療管理料に係る治療計画に記載した場合には、当該治療計画を策定した日を起算点とすることとなるが、同日より前に凍結保存に関する費用を徴収している場合には、同日以降であってもその契約期間中は「2 胚凍結保存維持管理料」は算定できないこと。
この場合において、例えば、同日より前の診療に係る当該契約を解消し、令和4年4月1日以降の保存に要する費用を患者に返金した上で、同日から「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することは差し支えないこと。
いずれの場合においても、令和4年4月1日より前から不妊治療を実施している場合には、胚の凍結保存の費用負担の在り方を含め、保険適用の内容も踏まえつつ、今後の治療方針について患者及びそのパートナーに十分説明の上、同意を得て実施する必要がある点に留意すること。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 66 問 65 について、保険適用前から胚の凍結保存に関する費用を徴収している場合において、令和4年4月1日以降、契約期間が終了した後に「2胚凍結保存維持管理料」を算定した場合、「凍結保存の開始日」は、令和4年4月1日ではなく「2 胚凍結保存維持管理料」を算定した日になるということか。
(答)そのとおり。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問7 3月 31 日事務連絡別添2問 65 において、令和4年4月1日より前から凍結保存されている初期胚又は胚盤胞については、「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することとされているが、その場合に当該管理料の算定期間はどのように考えるのか。
(答)この場合においては凍結保存の開始日に関わらず、「2 胚凍結保存維持管理料」を算定した日から3年を限度として算定できる。

疑義解釈資料の送付について(その37)-2023.01.12-[PDF形式/179KB]

問 67 年齢制限や回数制限を超えた場合、それ以降の「2 胚凍結保存維持管理料」の算定は可能か。
(答)新たに「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することはできない。
また、「2 胚凍結保存維持管理料」を算定してから、1年を経過していない場合には、患者及びそのパートナーに対し凍結保存及び必要な医学管理に関する費用負担を求めてはならないこと。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

2.複数回凍結保存を行う場合の算定方法

問 68 一連の診療過程において、複数回採卵を行う場合には、胚凍結保存を実施する回数も複数回に及ぶことになるが、その場合、「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を複数回算定することができるか。
また、その後、「2 胚凍結保存維持管理料」への算定に切り替わる時期についてどのように考えればよいか。
(答)「1 胚凍結保存管理料(導入時)」は、採卵と同様に一の月経周期ごとに1回に限り算定可。
なお、同一月経周期内において胚凍結保存を複数回実施した場合における「1 胚凍結保存管理料(導入時)」の算定については、当該月経周期内において凍結保存した胚の合計の個数に応じて算定する。
後段については、「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を複数回算定している場合には、当該管理料の直近の算定日から1年が経過するまでは、「2 胚凍結保存維持管理料」は算定できず、「2 胚凍結保存維持管理料」は、「1胚凍結保存管理料(導入時)」を最後に算定した日から1年を経過した場合に算定する。
複数回凍結保存を行う場合の算定イメージ

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 69 複数の胚を凍結している場合、「2 胚凍結保存維持管理料」についても複数回算定可能か。
(答)算定不可。
凍結保存する胚の個数にかかわらず、患者ごとに1年に1回算定する。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 70 「凍結保存の開始日から起算して3年を限度として」算定することとされているが、複数回「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を算定した場合、その起算日は、それぞれの凍結胚ごとに当該管理料を算定した日となるのか。
(答)そのとおり。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 71 「1 胚凍結保存管理料(導入時)」を複数回算定した場合、既に3年を超えて保存している凍結胚があったとしても、他の凍結胚の通算の保存期限が3年を超えていない場合には「2 胚凍結保存維持管理料」を算定可能か。
(答)算定可。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

3.治療の中断

問 72 「妊娠等により不妊症に係る治療が中断されている場合であって、患者及びそのパートナーの希望により、凍結保存及び必要な医学管理を継続する場合には、その費用は患家の負担とする」こととされているが、
  1. 妊娠以外には、どのような場合に「治療が中断」したことになるのか。
  2. 妊娠した場合はその時点から必ず治療が中断するのか。
(答)それぞれ以下のとおり。
  1. 不妊症に係る治療の中断とは、例えば、
    ・ 不妊治療を実施している途中にがん等の他の疾患(合併症を含む。)が発覚し、その治療を行うこととなった場合
    ・ 不妊治療の一連の診療過程が終了した後、次回の不妊治療の実施について、患者及びそのパートナーの意向が確認できていない場合などが考えられる。
  2. 妊娠による不妊治療の中断は、当該不妊治療に係る一連の診療過程の終了を意味し、その時点は医師の医学的な判断による。例えば、体外受精による妊娠判定後であっても、妊娠継続のため黄体ホルモンの補充を実施する必要があるなど医学的に不妊治療を継続する必要があると医師が判断する場合には、妊娠後も保険診療として不妊治療を継続することは想定される。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 73 治療計画に基づく一連の診療過程の終了後、次の胚移植に向けた治療の予定が決まっていない場合においても、胚凍結保存管理料を算定することは可能か。
(答)患者及びそのパートナーについて、引き続き、不妊治療を実施する意向を確認しており、次の不妊治療に係る治療計画を作成している場合には算定可。
ただし、治療計画に基づく一連の診療過程の終了後、次回の不妊治療の実施について、患者及びそのパートナーの意向が確認できない場合には、不妊症に係る治療が中断されているものと考えられるため、胚凍結保存管理料の算定は認められない。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 74 問 73 において、「患者及びそのパートナーについて、引き続き、不妊治療を実施する意向を確認しており、次の不妊治療に係る治療計画を作成している場合」には、胚凍結保存管理料を算定可とされているが、妊娠等により当該生殖補助医療が終了した場合には、その時点において、次の胚移植に向けた具体的な診療日程等を含む治療計画を作成することは困難であると考えられる。
この場合、治療計画には、次の不妊治療を実施することについて患者及びそのパートナーの意向がある旨や、そのとき記載可能な範囲で一連の診療過程を記載することで要件を満たすという理解でよいか。
(答)よい。
なお、具体的な記載内容は医師の判断による。
そのほか、生殖補助医療管理料に係る問 34 の場合と同様の取扱いとなる。

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

問 75 不妊治療が1年間以上中断した後、次の妊娠に向けた治療を開始する場合における胚凍結保存管理料の算定方法如何。
また、胚凍結保存管理料を算定してから1年を経過しない間に、治療を中断し、再開した場合はどうか。
(答)治療中断後、患者及びそのパートナーの次回の不妊治療に向けた意向を確認し、治療計画を作成して生殖補助医療の受診を開始した場合には、再度、算定要件を満たすこととなった時点から算定可。
この場合、胚凍結保存の開始日(「1 胚凍結保存管理料(導入時)」又は「2 胚凍結保存維持管理料」を算定した日を言う。以下同じ。)から起算して1年間の胚凍結保存に係る費用については、既に当該管理料により評価が行われたこととなり、次の不妊治療の治療開始日から「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することとなる。
後段については、当該胚凍結保存の開始日から1年を経過するまでは「2胚凍結保存維持管理料」を算定することはできない。
なお、この場合において、当該管理料を算定してから1年を経過するまでは、治療を中断している時期があったとしても、当該期間において患者及びそのパートナーに対し凍結保存及び必要な医学管理に関する費用負担を求めてはならない。
不妊治療中断後の算定イメージ

疑義解釈資料の送付について(その1)-2022.03.31-[PDF形式/2,674KB]

保険外の診療の取扱い

問 10 保険診療により作成した凍結胚が残っている場合であっても、医学的判断により保険外の診療として、受精卵・胚に対する保険外の診療を実施する必要がある場合について、
  1. 保険診療により作成した凍結胚を用いずに、保険外の診療として改めて採卵から胚移植までの診療を行うことは可能であると考えてよいか。
  2. ①の場合、保険診療により作成した凍結胚について、「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することは可能か。
(答)それぞれ以下のとおり。
  1. よい。
  2. 「1 胚凍結保存管理料(導入時)」の算定要件となる胚凍結保存の開始日
    から1年以内は、当該管理料による評価が行われているため、「2 胚凍結保存維持管理料」は算定不可。
    また、当該期間において患者及びそのパートナーに対し凍結保存及び必要な医学管理に関する費用負担を求めてはならない。
    胚凍結保存の開始日から1年以上を経過した後、保険外の診療から保険診療へ再度移行する場合については、患者及びそのパートナーの次回の不妊治療に向けた意向を確認の上、保険診療で治療計画を作成して生殖補助医療の受診を開始し、再度、算定要件を満たすこととなった時点から算定可。
1年を開花しない間に保険診療を中断し再開した場合、1年以上保険外の診療を行った場合の算定イメージ

疑義解釈資料の送付について(その37)-2023.01.12-[PDF形式/179KB]

問 11 問 10 において、保険診療で得られた残余凍結胚は、その後保険診療を再開したときに保険診療として使用してよいか。
(答)残余凍結胚に対しては保険外の診療が行われていないため可能。
ただし、この場合であっても、回数制限に係る実施回数のカウントにおいては、以前の保険診療における実施回数も含まれる。

疑義解釈資料の送付について(その37)-2023.01.12-[PDF形式/179KB]

不妊治療に係る診療報酬上の取扱い(令和4年)

問 19 「2 胚凍結保存維持管理料」について「1年に1回に限り算定する」こととされているが、具体的には、過去1年間に「1 胚凍結保存管理料(導入時)」又は「2胚凍結保存維持管理料」を算定していない場合に算定可能という理解でよいか。

(答)よい。

不妊治療に係る診療報酬上の取扱いについて-2022.03.16-[PDF形式/536KB]

問 20 「1 胚凍結保存管理料(導入時)」については、胚の凍結とその後1年間の凍結保存及び必要な医学管理に要する費用を評価するものであり、同管理料を算定してから1年を経過した後に、継続して胚凍結保存を実施する場合には、「2 胚凍結保存維持管理料」を算定することとなるという理解でよいか。

(答)よい。

不妊治療に係る診療報酬上の取扱いについて-2022.03.16-[PDF形式/536KB]

問 21 治療計画に基づく一連の診療過程の終了後、次の胚移植に向けた治療の予定が決まっていない場合においても、胚凍結保存管理料を算定することは可能か。

(答)患者及びそのパートナーについて、引き続き、不妊治療を実施する意向を確認しており、次の不妊治療に係る治療計画を作成している場合には算定可。

ただし、治療計画に基づく一連の診療過程の終了後、次回の不妊治療の実施について、患者及びそのパートナーの意向が確認できない場合には、不妊症に係る治療が中断されているものと考えられるため、胚凍結保存管理料の算定は認められない。

不妊治療に係る診療報酬上の取扱いについて-2022.03.16-[PDF形式/536KB]

問 22 令和4年4月1日より前から凍結保存されている初期胚又は胚盤胞については、「1 胚凍結保存管理料(導入時)」と「2 胚凍結保存維持管理料」のいずれを算定すべきか。

その際の算定年数の限度(3年)の起算点の考え方如何。

(答)「2 胚凍結保存維持管理料」を算定する。

この場合、令和4年4月1日以降に算定した生殖補助医療管理料に係る治療計画に記載した場合には、当該治療計画を策定した日を起算点とすることとなるが、同日より前に凍結保存に関する費用を徴収している場合には、同日以降であってもその契約期間中は「2 胚凍結保存維持管理料」は算定できないこと。

この場合において、例えば、同日より前の診療に係る当該契約を解消し、令和4年4月1日以降の保存に要する費用を患者に返金した上で、同日から「2胚凍結保存維持管理料」を算定することは差し支えないこと。

いずれの場合においても、令和4年4月1日より前から不妊治療を実施している場合には、胚の凍結保存の費用負担の在り方を含め、保険適用の内容も踏まえつつ、今後の治療方針について患者及びそのパートナーに十分説明の上、同意を得て実施する必要がある点に留意すること。

不妊治療に係る診療報酬上の取扱いについて-2022.03.16-[PDF形式/536KB]

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